台風・地震の後片付けで手を切る前に。ガラス片・瓦礫から守る手袋の選び方

【2026年7月28日追記】本日、熊本県で最大震度7の地震が発生し、その後も強い余震が続いています。これから片付けをされる方は、割れたガラス・瓦・釘などで手を切る事故がもっとも起きやすいタイミングです。素手や軍手だけでの作業は避け、厚手の手袋を着けてください。余震が続くあいだは、傾いた家具や壊れた建物のそばでの作業を無理に進めないことも大切です。
台風や地震のあとの片付けで、「軍手をしていたのに手を切ってしまった」という話は珍しくありません。私が消防士として現場に出ていた頃、台風直後の片付け作業で手の怪我が急増することを何度も目にしました。普段は見えない場所に散らばったガラス片、折れた瓦、曲がった釘の頭——それらが軍手を簡単に貫通して、指や手のひらを切るのです。
片付け中の手の怪我は、普通の外傷と少し違います。汚れた瓦礫の中で切り傷が生じるため、感染リスクも高い。片付けに集中しているせいで痛みに気づくのが遅れ、傷が深くなってからはじめて気づくこともあります。
この記事では、なぜ災害の後片付けで手の怪我が増えるのか、軍手では防ぎきれない理由、そして消防士が選んだEN388規格の防刃手袋で手を守る方法と選び方を解説します。
この記事でわかること
- 台風・地震の後片付けで手の怪我が増える3つの理由(消防士の現場経験より)
- 軍手・素手では防ぎきれない理由と、EN388防刃手袋が有効な根拠
- 防災・片付け用に防刃手袋を選ぶときのポイントと注意点
目次
台風・地震の後片付けで「手の怪我」が増える理由
台風直後や地震のあとの片付け現場では、日常の家事とはまったく違う危険物が散乱しています。消防士として現場を経験した立場から言うと、もっとも手の怪我を起こしやすい原因は「見えないガラス」と「方向が読めない金属」です。
割れたガラスは透明で見えにくい
台風で窓が割れると、ガラス片は部屋の奥や庭の草の中、段ボールの下にまで飛び散ります。透明なガラスは光の当たり方によっては全く見えず、軍手ごしに触れて「痛みの前に切れる」という事態が起きます。片付けに夢中で注意が散漫になっているときほど、こういった小さな傷が見落とされます。
瓦・タイル・板の「鋭い断面」
地震で割れた瓦や外壁タイル、台風で折れた木材には、刃物のように鋭い断面が生まれます。軍手越しに「なんとなく危なそうなもの」をつかんだとき、その断面が繊維を貫通して皮膚を切ることがあります。
釘・ビス・金属片が向きを変えて散乱
台風で飛ばされた板材には釘がついたまま落下します。地震で崩れた壁にはビスやアンカーが露出します。こうした金属片は予測できない方向に向いているため、普通のつかみ方をしても鋭利な部分に手が当たります。
後片付けで手の怪我を起こしやすい場面
- 割れた窓ガラスを直接手でつかんで袋に入れるとき
- 瓦礫を「なんとなく安全そう」と判断して軍手で持ち上げるとき
- 台風で倒れた木材・ブロックを持つとき(釘・金属が露出)
- 水に浸かったガラスや金属片が見えにくくなっているとき
- 急いで片付けようと集中力が切れているとき
素手・軍手では防ぎきれない3つの理由
「軍手をしていれば大丈夫」と思っている方が多いのですが、ガラス片や鋭い金属に対しては、軍手は思ったほど守ってくれません。
理由1:軍手の繊維はガラス片に弱い
一般的な軍手は綿の粗い編み目でできています。ガラス片は非常に鋭利で、軍手の繊維の隙間に刃が入り込んで切ることができます。実際に消防の訓練でも、軍手越しにガラスをつかんだ際に「切れた感覚はなかったが血が出ていた」という事例があります。
理由2:濡れた状態では滑っていっそう危険
台風や水害のあとは、瓦礫が水に濡れています。濡れた軍手は滑りやすくなり、ガラス片や金属片が予期しない方向に動いて手が接触しやすくなります。「しっかりつかもうとして力を入れたら切れた」というパターンが多いのです。
理由3:素手では論外・ニトリル手袋も薄すぎる
素手はもちろん論外ですが、使い捨てのニトリル手袋(厚さ0.1〜0.15mm程度)も、ガラス片には抵抗できません。「感染予防のために」と医療用手袋を使う方もいますが、切創防護の観点ではほとんど意味がありません。
| 手袋の種類 | ガラス片への対応 | 瓦礫作業での使いやすさ | 総合評価 |
|---|---|---|---|
| 素手 | まったく無防備 | 感覚は良いが非常に危険 | 使用不可 |
| 一般的な軍手 | ガラス・鋭利金属で切れる | 普通だが濡れると滑る | 不十分 |
| 使い捨てニトリル手袋 | 刃に対してほぼ無力 | 薄くて感染防護向け | 切創には非対応 |
| EN388防刃手袋 | 切り傷に対して高い防護性 | 薄手なら細かい作業も可能 | 推奨 |

EN388防刃手袋が災害片付けに向く理由
防刃手袋(耐切創手袋)は、刃物による切り傷を防ぐために作られた手袋です。EN388は欧州の防護手袋規格で、切り傷・摩耗・引き裂き・穿刺をそれぞれ数値で評価します。
「切り傷」への防護力が軍手と根本的に違う
EN388の耐切創テストでは、刃が手袋の表面を滑ったときに繊維を切り進めるかどうかを検証します。使われている繊維は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などで、切れにくさが綿の軍手とは比較になりません。台風・地震の片付けで出会うガラス片の「滑った瞬間に切れる」動きに対して、高い防護力を発揮します。
消防士として現場で使っていた判断基準
私が消防士だった頃、災害現場での手の防護に一番求めていたのは「薄くて細かい作業ができること」でした。分厚い革手袋では、ガラス片を拾う・袋に入れる・釘を確認するといった細かい作業がしにくく、かえって誤操作を起こすことがあります。それよりも、薄手でフィットし、指先の感覚が伝わる手袋の方が安全に作業できる。WARAIGAOの防刃手袋は、この経験から選んでいます。
防災グッズとして非常袋に入れておける
EN388防刃手袋は薄手でコンパクトに折りたためるものが多く、非常袋に常備しておくことができます。地震が来たあと、即座に取り出して履けるかどうかが大切です。「片付けのときに買いに行こう」では遅い——それが防災の鉄則です。
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防災・片付け用に防刃手袋を選ぶポイント
「防刃手袋」と呼ばれる製品にもさまざまあります。台風・地震の片付けに使うなら、次のポイントを押さえてください。
薄手でフィットするタイプを選ぶ
災害の片付けでは、ガラス片をつまむ・袋の口を閉める・仕分けをするなど、指先を使う細かい作業が多くあります。厚手の革手袋や溶接用グローブでは感覚が鈍りすぎて、かえって作業効率が落ちます。薄手でフィット感があり、指先の感覚が伝わるものを選んでください。
EN388規格の記載があるか確認する
「防刃」「耐切創」とうたっていても、EN388規格の認証があるかどうかで防護力は大きく違います。規格表示のない製品は耐切創のテストを受けていない可能性があるため、必ず「EN388」または同等の規格記載があるものを選んでください。WARAIGAOの防刃手袋はEN388規格に基づいています。
サイズが合っているか確認する
手袋のサイズが大きすぎると、指先に余りができて作業がしにくくなります。指の根元からずれると、かえって危険な部位が露出することもあります。手のひらの周囲を測り、メーカーのサイズ表と照らし合わせて選んでください。WARAIGAOはXS〜Lの4サイズ展開で、手の小さい方から大きい方まで対応しています。
ワークマンの手袋では代わりになりますか?
ワークマンの作業用手袋には、耐切創を目的としたものもあります。ただし規格の種類や防護レベルはモデルによって異なります。「耐切創」の記載があり、EN388規格に基づいているものなら代替可能なものもありますが、「カットガード」などの記載だけでは不十分なものもあるため、購入前に規格を確認してください。
防災・台風・地震の片付けに向く防刃手袋の条件
- EN388規格・耐切創レベルの記載がある
- 薄手でフィット感があり、指先の感覚が伝わる
- 自分の手のサイズに合っている(余りが出ない)
- 非常袋に入れておけるコンパクトさ
- 水に濡れても滑りにくい
📝 防災・片付けでの使用感(Amazonレビューより抜粋)
★★★★★ 非常袋に入れておくために購入
防災グッズを見直す中で購入。薄くてコンパクトにたためるので常時携帯できます。大雨のあと庭の片付けに使いましたが、素手ではためらうようなものも安心して持てました。
★★★★☆ 台風後の片付けに
割れた植木鉢のかけらや飛んできた棒材など、急いで片付けたいのに素手では危なくて困っていました。これをはめると安心感が違います。
★★★★★ 料理にも使えて一石二鳥
防災目的で買いましたが、普段の料理にも使えています。薄手なので感覚が残り、スライサーや包丁の細かい作業にも支障ありません。

使うときの注意点(デメリットも正直に)
防刃手袋を正しく活用するために、弱点もお伝えします。
「穿刺」(突き刺し)には対応していない
EN388が守るのは「切り傷」です。釘が真上から強く突き刺さる「穿刺」には別の規格が必要です。防刃手袋をしていても、釘が刺さる向きに手を突っ込むのは危険です。作業中は足元と手元をよく確認し、釘の向きが不明な板材は側面から持つなど、「手袋があるから大丈夫」と過信しないことが大切です。
手袋を過信せず、基本の安全確認を怠らない
手袋はあくまで「もしものときの保護」です。ガラス片や金属片を扱うときは、目視で確認してから慎重に持ち上げる、という基本は変わりません。手袋をしているからといって乱暴に瓦礫を扱うと、予期しない場所から怪我をする可能性があります。手袋と慎重な作業の組み合わせがはじめて安全につながります。
使用後は傷みを確認する
台風・地震の瓦礫片付けは、通常より過酷な条件での使用です。作業後は繊維に穴やほつれがないか確認し、傷みがあれば交換してください。目に見えない小さなダメージでも防護力が落ちている場合があります。
よくある質問
まとめ
この記事のまとめ
- 台風・地震の後片付けでは、見えないガラス片・鋭利な瓦の断面・向きが読めない釘が手の切り傷を起こす。消防士として現場でも多く目にしてきた事実。
- 軍手は繊維が粗く、ガラス・金属片の刃に対して弱い。濡れると滑っていっそう危険。ニトリル手袋も切創防護には対応していない。
- EN388規格の防刃手袋(耐切創手袋)は、切り傷への防護力が根本的に違う。薄手でフィットするタイプを選べば細かい片付け作業にも使える。ただし穿刺(突き刺し)には別規格が必要で過信は禁物。
- 防災グッズとして非常袋に一双入れておくと、地震・台風のあと即座に使える。

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