秋のロングライドでお尻が痛い|3時間目から効く準備

迷ったらココだけ:3択早見
- 今週末に3時間以上走る予定がある → 出発前に高さ・休憩・座面の3つを決める。当日の我慢より、前の週の5分です
- 2時間までは平気なのに、そこから急に痛む → 体力ではなく「同じ場所に当たり続けた時間」の問題。座面に厚みを足す番です
- 片側だけ痛い/降りたあともしびれが残る → 道具では解決しません。医療機関にご相談ください
この記事の仕様・販売状況は2026年9月時点のものです。
涼しくなって、走る距離が自然と伸びる季節です。1時間目は快調、2時間目もまだいける。ところが3時間目に入ったあたりで、お尻だけが急に音を上げる——秋のロングライドでよく聞く話です。
ここで多いのが「体力が落ちたのかな」という受け止め方です。でも3時間目に来る痛みは、脚の疲れとは別のところから来ています。同じ場所に、同じ角度で、体重が乗り続けた結果です。だから休んでも抜けきらないし、走り出すとすぐ戻ります。
この記事では、その正体を先に説明したうえで、走る前に決めておく3つ(高さ・休憩・座面)を整理します。当日その場でできることは、正直あまり多くありません。
WARAIGAOはサドル本体も自転車もウェアも売っていません。扱っているのは、サドルにかぶせるクッション1枚だけです。だから「休憩の取り方を変えるだけで足りる日もあります」と正直に書けます。
この記事でわかること
- 3時間目に急に痛みが来る理由(脚の疲れとは別ものです)
- 1時間目・2時間目・3時間目で、痛みの性質が変わること
- 秋のロングライドだけに起きる3つの事情(距離・冷え・服装)
- 走る前に決めておく3つ=高さ・休憩・座面の決め方
- 厚みを足す・はくものを変える・サドルを替える、の比べ方
- 道具ではどうにもならない痛みのサイン
目次
3時間目に来る痛みは、脚の疲れとは別ものです
まず、よくある誤解をひとつ外しておきます。3時間目のお尻の痛みは、体力が落ちたサインではありません。脚はまだ回るのにお尻だけが先に限界を迎えるのは、そこだけ別の理屈で痛くなっているからです。
痛いのは「強さ」ではなく「時間」です
自転車に座っているとき、体重の大半はお尻の下にある左右2つの骨(座骨)に集まります。面積にすれば数センチ四方が2か所。そこに、走っている間ずっと同じ角度で体重が乗り続けます。
脚は踏むたびに力が入って抜けるので、血のめぐりが途切れません。ところがお尻は、座り続けている限りほとんど同じ状態のままです。30分なら平気でも、3時間続けば話が変わります。強く当たったから痛いのではなく、同じ場所に当たり続けたから痛いのです。
1時間目・2時間目・3時間目で、できることが変わります
| 経過時間 | 出てくるサイン | その時点でできること |
|---|---|---|
| 1時間目 | 当たっている感じはあるが、座り直せば消える | 高さのズレを疑う段階。ここで直せば後が楽になる |
| 2時間目 | 座り直す回数が増える。腰を浮かせたくなる | 早めに降りて歩く。立ちこぎを混ぜて当たり方を変える |
| 3時間目以降 | 座り直しても戻らない。降りたあとも違和感が残る | その日はもう戻せない。次回は出発前の準備で変える |
3時間目になってから対策を探しても、打てる手はほとんど残っていません。だからこの記事は「走る前」の話に絞ります。
WARAIGAO代表より(実際に使って分かったこと)
「自分で買って数百km走り込み、ズレの正体を突き止めました」——短い距離では気づかないことが、距離を積むと必ず出てきます。ズレも痛みも、長く走った日の後半にだけ本性を見せる。サドルまわりは、1時間の試し乗りでは分からないものだと思っています。
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秋のロングライドで、去年より早く痛みが来る理由
同じ体、同じ自転車なのに、秋になると痛みが早く来る——そう感じる方がいます。季節のせいにするのは乱暴に聞こえますが、秋には秋の事情があります。
涼しいぶん、走る時間が伸びます
夏は暑さのほうが先に限界を決めてくれます。2時間で切り上げていたのが、涼しくなると3時間、4時間と伸びる。お尻にとっては、これまで経験していない長さに踏み込んだことになります。紅葉を見に行くルートや秋の走行会が重なると、その年の最長距離がいきなり出ることも珍しくありません。
休憩で体が冷えて、こわばったまま走り出します
気温が下がると、休憩している間に体が冷えます。冷えた状態で走り出すと座り方が硬くなり、当たる場所が固定されやすくなります。夏場のようにだらだら休むのではなく、短めに切り上げて動き続けるほうが、秋はお尻に優しい走り方です。
下半身の服装が変わります
秋は、パッドの入ったサイクルパンツの上に長い丈のものを重ねたり、普段着のまま近場を走ったりと、下半身の装備が変わりやすい時期です。夏と同じつもりでいると、座面との間にあるクッションの量が、知らないうちに減っていることがあります。出発前に「今日は何をはいているか」を一度確かめておくと、想定外が減ります。
前傾が深いロードバイクでは、当たる場所が座骨より少し前に移ります。同じ「痛い」でも場所が違うので、あわせてどうぞ。
【関連記事】ロードバイクでお尻が痛い対策|クッションが向くケースと限界
走る前に決める①高さ|前の週の5分が、3時間目に効きます

ここからが本題です。走る前に決めておくことは3つ。順番は、高さ→休憩→座面です。まず高さから。
サドルが高すぎると、ペダルを下まで踏むたびにお尻が左右に振れます。1時間なら「ちょっと気になる」で済む揺れですが、3時間続けば、こすれ続けたぶんがそのまま痛みとして残ります。距離が短いうちは表に出ない差が、長い距離で効いてくるということです。
目安は「かかとで膝が伸びきる高さ」
またがってペダルを一番下まで下ろし、そこにかかとを乗せて膝がちょうど伸びきる高さが目安です。実際はつま先側で踏むので、そこで膝に少し余裕が生まれます。長い距離を走る日は、普段より1cm低いところから試すくらいでちょうどいいことが多いです。
動かすのは1回に1か所だけにしてください。高さと角度を同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。高さ・前後・角度の3つをきちんと詰めたい方は、手順をこちらにまとめてあります。
【関連記事】サドルが硬くて痛い|調整で直る痛みと直らない痛み
当日の朝に、はじめて工具を握らないでください
走る日の朝に高さを変えるのは、おすすめしません。合っているかどうかは、実際に1時間ほど走ってみないと分からないからです。調整は前の週の短い走行で済ませておいて、当日は「ねじが緩んでいないか手で押して確かめる」だけにする。これが一番失敗の少ない形です。
走る前に決める②休憩|痛くなってから止まるのでは遅い

2つ目は休憩です。ここは道具ではなく、走り方の話になります。
「痛くなったら休む」を「痛くなる前に降りる」に変える
多くの方が、痛くなってから休憩の場所を探します。ところが一度しっかり痛くなったお尻は、10分休んだくらいでは戻りません。戻らないまま走り出すので、そこからは下り坂です。
出発前に「1時間ごとに5分降りる」と決めてしまうのが、一番簡単な手です。時間で区切っておけば、まだ平気なうちに降りられます。コンビニでも、景色のいい場所でも構いません。降りて2〜3分歩くと、当たっていた場所の血のめぐりが戻ります。
走りながらできるのは「当たる場所をずらす」ことだけ
休憩と休憩の間にできることは限られます。10分に一度、数秒だけ腰を浮かせる。上り坂で立ちこぎを混ぜる。ハンドルを持つ位置を変えて、上体の角度を少し変える。どれも根本的な解決ではありませんが、同じ1点に乗り続ける時間を切ることはできます。
逆に、痛いからといって座る位置を後ろへずらし続けるのは良い手ではありません。サドルの幅が広い後ろ寄りは一瞬楽に感じますが、こぐ姿勢が崩れて、今度は膝や腰に来ます。
代表自身も「以前は1時間を超えたあたりから『そろそろ限界かな』と思い始めていたのが、クッションを付けてからは2時間近く乗っても『帰りたくない』と思えるくらいになりました」と話しています。限界そのものを消すことはできませんが、限界が来る時刻を後ろへずらすことはできます。休憩も座面も、やっていることは同じです。
【関連記事】クロスバイク お尻が痛い対策|1時間超えても快適に走る方法
走る前に決める③座面|厚みを足すか、はくものを変えるか
3つ目が座面です。高さを合わせて、休憩も決めた。それでも3時間目に座骨の2点が当たるなら、残っているのは硬さと形の問題です。ここは姿勢では埋まりません。打てる手は3つで、長い距離を走る日を基準に並べるとこうなります。
| 方法 | 出発前の手間 | 長い距離での効き方 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| サドルごと交換する | 工具が必要。合う幅を選び直す時間もかかる | 合えば一番確実 | 自分に合う座面の幅がすでに分かっている人 |
| パッド入りのサイクルパンツ・インナー | 着替えが必要。帰ってから洗う | 体に付いてくるのでズレない | 着替えと洗濯の手間が続けられる人 |
| サドルにかぶせるクッション | かぶせて締めるだけ。要らない日は外せる | 当たる面を広げて1点集中を減らす | 今の自転車のまま、今週末から変えたい人 |
サドル交換は、合えば一番確実です。ただし「合えば」です。座面の幅が自分に合うかどうかは、長い距離を走ってみるまで分かりません。数時間走って初めて「狭かった」と気づくこともあるので、買い直しが続きやすい選択肢でもあります。
パッド入りのパンツやインナーは、体に付いてくるのでズレません。自転車を乗り換えても使えます。難点は着替えと洗濯です。秋は上に重ねるものが増えるぶん、着替える場所と時間の確保が面倒になりがちです。
サドルにかぶせるクッションは、その中間です。今のサドルを外さずに厚みだけ足せますし、要らない日は外せます。長い距離を走る日だけ付ける、という使い方もできます。
WARAIGAO代表より(実際に使って分かったこと)
「お尻の痛みを何とかしようと、ジェルだけのクッション・ウレタンだけのクッション・防水カバー付きの商品など、ありとあらゆる種類を実際に購入して試しました」——短い距離だと、正直どれも同じに感じます。差が出たのは長く乗った日の後半でした。だから選ぶときは「1時間乗った感想」ではなく「3時間乗ったあと」を基準にしています。
厚みを足したら、高さをもう一度測り直してください
見落としやすい点です。クッションを付けると座面が数センチ高くなります。そのまま走ると、せっかく合わせた高さが高すぎる状態に戻り、またお尻が左右に振れます。付けたあとにもう一度かかとで測り直して、足した厚みの分だけサドルを下げてください。長い距離ほど、この差はそのまま痛みになって返ってきます。
もうひとつ、長い距離で効いてくるのが固定です。数時間こぎ続けると、留め方の甘いものは少しずつ回ります。ずれた状態で乗り続けると、当たる場所が狙いから外れて、かえって痛くなります。選ぶときに見るのは、素材・溝の形・固定方法の3つです。
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正直に書きます|サドルクッションが向かない場面
良いところばかりでなく、買う前に知っておいてほしい点も正直にお伝えします。
①高さも休憩も決めていないなら、そちらが先です
高さが高すぎてお尻が振れているだけなら、1cm下げれば終わる話です。その状態でクッションを買うと座面がもっと高くなり、かえって振れが大きくなります。売る側として言いにくいことですが、工具とカレンダーが先です。
②サドルの形によっては、うまく収まりません
極端に短いサドルや、後ろがせり上がっている形のサドルだと、かぶせても形が合わないことがあります。お手元の自転車のサドルの寸法までは私たちには分かりませんので、ここは「合わなかったときに返品できる買い方をしておいてください」としか言えません。
③「厚ければ長く走れる」とは限りません
厚みを足すと、こぐ力の一部が座面に沈んで逃げます。タイムを詰める走り方をしている方や、集団で速度を合わせて走る日には向きません。景色を見ながら距離を伸ばす日のための道具だと思ってください。
④秋の雨・朝露に置きっぱなしにする使い方には向きません
布と中材でできていますから、濡れれば乾くまで時間がかかります。走行中の雨は仕方ありませんが、屋根のない場所に長く停める日は、100均で売っている防水カバーをかけておくか、乗るときだけ付ける使い方にしてください。帰宅後は外して陰干しするのが無難です。
⑤片側だけの痛み・降りたあとも残るしびれは、厚みでは解決しません
左右どちらか一方だけが痛む、あるいは自転車を降りたあともしびれが残るという場合、原因は座面の硬さではないことが考えられます。クッションでごまかさず、医療機関やトレーナーにご相談ください。私たちは雑貨メーカーですので、体の症状について判断することはできません。
よくある質問
まとめ
この記事のまとめ
- 3時間目の痛みは体力の問題ではなく、同じ場所に当たり続けた時間の問題です
- 秋は涼しいぶん距離が伸び、休憩で冷え、服装も変わります。去年と同じつもりだと想定が外れます
- 走る前に決めるのは3つ。高さ→休憩→座面の順です
- 高さは前の週に合わせ、当日はねじの確認だけ。休憩は「1時間ごとに5分」と先に決めておきます
- 座面に厚みを足したら、足した分だけサドルを下げて高さを測り直します
普段の乗り方によって、痛む場所も打てる手も変わります。ご自身に近いものをあわせてどうぞ。
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